取材特集 VOL.1 ── 福井の外構職人に聞く
開道 悟志
外構施工業 代表
| 活動拠点 | 福井県越前市・福井市 |
| 経歴 | 越前市内の基礎工事会社で修業→2022年4月独立 |
| 施工実績 | 月8件ペース・累計300〜400件(2026年時点) |
| 対応エリア | 福井市・越前市・鯖江市・坂井市ほか県内全域 |
| 得意分野 | 雪国対応施工・大手ハウスメーカー品質基準対応 |
「基礎工事は、施主さんの顔が見えないんですよ。でも外構は違う。玄関前の仕上がりを見て喜んでくれる顔が、直接見られる——それがたまらなくて」。福井県内で外構工事を手がける開道の代表は、そう言って少し照れくさそうに笑った。
高校卒業後、製造業・のりめん工(土砂崩れ防止工事)・設備・足場・電話営業・酒類営業と職を転々とした末に、外構という仕事にたどり着いた。2022年4月に独立し、今や月8件ペースで現場を回しながら累計300〜400件の施工実績を持つ。大手ハウスメーカーの案件も手がけ、「見積もりを出せばほぼ成約」という口コミの信頼が紹介の連鎖を生んでいる。
人との縁が引き寄せた、「直接的な喜び」のある仕事
高校卒業後、最初に就職したのは製造会社だった。繁忙期はよく稼げたが、リーマンショック(トヨタショック)の影響で給与が半分以下に急落。「このまま続けていても見通しが立たない」と退職した。次に就いたのりめん工(斜面保護・土砂崩れ防止工事)も、設備・足場・電話営業・酒類営業も、長くは続かなかった。稼ぎの問題だけではない——どこへ行っても「ここに居場所がある」という感覚がなかった。
転機になったのは、越前市内の基礎工事専門会社との出会いだった。独立支援を行う会社の面接で、社長は「いくら欲しい?その金額の根拠は何?」と問い返してきた。これまでどの職場でも感じたことのない、人として向き合ってもらえている感覚があった。「この人についていけば面白いことになる」——そう直感し、2020〜2021年の2年間で技術を修得し、2022年4月に独立した。
外構にたどり着いたのも、縁の一言に尽きる。友人の奥さんが福井市内の外構デザイン会社で働いており、「土木系の仕事できる?」と声をかけてもらったことがきっかけだった。その縁が、これまでの仕事では味わえなかったものを連れてきた。「玄関前の仕上がりを見て喜んでくれるお客さんの顔が、直接見られる——それがたまらなくて」。人に引き寄せられて歩んできたキャリアが、人の喜びを直接受け取れる仕事で結ばれた瞬間だった。
独立4年、月8件・累計300〜400件の施工実績
独立1年目は基礎工事8割・外構2割の売上構成だったが、2年目に基礎6割・外構4割、3年目には5割ずつと比率が変わり、2025年からは外構100%の体制に移行した。2026年現在は月8件ペースで現場を動かしている。
「とにかくこだわってやりました。これでもかというくらい丁寧に仕上げたら、社内で『次もここにお願いしよう』という話になって」。その評判が積み重なり、複数の大手ハウスメーカーからの案件も入るようになった。累計件数については「4年間で月8件ペースを考えると、300〜400件はやっていると思います」と話す。
大手ハウスメーカーの現場で磨いた技術と段取り力
大手ハウスメーカーの施工案件を手がけるようになったのも、紹介の連鎖からだ。外構デザイン会社の現場監督を通じてハウスメーカー系の管理会社と繋がり、1件目の仕事でその丁寧さを評価された。現在は大手ハウスメーカーの案件で200坪の平屋・外構費用500万円超の工事も進行中だ。
「40代・50代の職人さんが多い業界で、若い職人はスピードと馬力が武器になります。それと連絡のレスポンスの早さです。業者と連絡がつかないというお客さんの声を現場でよく聞くので、そこだけは絶対に意識しています」。ハウスメーカーの品質基準の現場を経験したことで、細部の精度への意識が高まったという。
福井の冬が外構工事に与える影響も熟知している。塩化カルシウム(除雪剤)によるコンクリートや金属の腐食、凍害によるひび割れ——こうした福井特有の劣化要因を踏まえた素材選びと施工方法を提案できるのも、地元で多くの現場を経験してきたからこそだ。
「予算オーバーです」ではなく「こう実現できます」という提案
他の業者との違いが出やすいのが、予算調整の場面だ。「やりたいことはあるけど予算が足りない」という施主に対して、削る部分の優先順位付けや「1年後にこの部分だけ追加工事する」という段階施工の提案も行う。「自社のデザインを押し付けるのではなく、お客さんの色に合わせた外構を作ることを大事にしています」。
あるお客さんの案件では、ご主人が当初の計画より大幅に多くの植栽を入れたいと言い張り、奥様は「こんなに木を入れたら子供が遊べなくなる」と難色を示した。打ち合わせを重ねるうちに植栽の種類も変わり続け、造園業者も頭を抱える状況になった。やがてご主人から「もう植栽は自分で植えますから、そこら辺に置いておいてください」という連絡が届いた。そのとき開道さんは沖縄にいた。自分が直接ご主人に連絡するより、奥様から話してもらった方が伝わる——そう判断し、沖縄からすぐに奥様に電話して、植栽の手配状況や段取りのこれまでの経緯を説明した。翌日、ご主人から「楽しみにしていますね」というLINEが届いた。「現場でそういう場面に出会うこと、そういう人と向き合うことが、この仕事の面白いところです」。
Pinterestで外構のイメージを検索してもらい、「こんなテイストで」という写真を送ってもらうというアプローチも取り入れている。「これからお客さんの家に帰るときに、周りの家の外構が気になるはずです。気に入った外構を写真に撮って送ってもらっても全然いいですよ」という一言が、外構に関心のなかった施主の目を開かせることも多いという。
完工後1ヶ月・3ヶ月・半年・1年でフォローする理由
外構工事が完成した後も、開道では定期的なフォローアップを続けている。「1ヶ月後、3ヶ月後、半年後、1年後に連絡して、その後どうですか、何か困ったことはないですかと聞くようにしています」。完工後に一切連絡が来ない業者が多い中で、この継続的な関係が次の紹介につながっている。
「工事が終わってからも、何かあればいつでも相談してもらえる存在でいたいんです。外構って完成してからが本番というか、使ってみて初めて気づくことも多いので」。紹介受注の比率が高く、成約率が業界平均を大幅に上回る背景には、こうしたアフターフォローへの姿勢がある。
施工事例——開道さんが手がけた現場から
よくある質問
ハウスメーカー経由の外構工事より費用はどれくらい安くなりますか?
ハウスメーカーが外構工事を受注する場合、実際の施工は外部業者に下請けに出すケースがほとんどです。その際、ハウスメーカー側の管理費・マージンとして20〜30%が上乗せされます。200万円の外構工事なら、ハウスメーカー経由では240〜260万円になることがあります。
直受けで依頼すれば、この中間コスト分がそのまま工事内容の充実や費用削減につながります。同じ予算であれば、使える材料のグレードや施工範囲が変わってきます。まずは現地を見せていただき、適正な費用感をお伝えします。
初めて外構工事を検討していますが、何から相談すればよいですか?
「外構って何ですか?」というところから相談いただいて構いません。家を建てる際に外構を後回しにされる方も多く、「ハウスメーカーに外構は自分で探してくださいと言われた」という相談も多く受けます。
まずは現地を見せてもらい、「予算はいくらで、どんな使い方をしたいか」をざっくり話してもらえれば、そこから具体的なプランを提案できます。Pinterestや住宅雑誌で「いいな」と思った外構の写真を集めておいてもらえると、イメージの共有がしやすくなります。全部を一度に工事する必要はなく、段階的に進めるプランも相談できます。
見積もりだけでも対応してもらえますか?
もちろんです。見積もりを複数社で比較してから決める方が、絶対に良い買い物になります。相見積もりは当然のことと思っているので、遠慮なく依頼してください。見積書の内容についてわからないことがあれば、その場で説明します。
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取材・執筆:福井外構ドットコム編集部(RAデザイン)| 取材日:2026年5月| ※当サイトは送客手数料を受け取る場合があります
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